特集展 志士の国・土佐~年譜書から見る土佐藩のしくみ~
2018/06/08 - 2018/07/30
この展示では、幕末期に活躍した志士の年譜書などを通して、幕末に変化した土佐藩のしくみを紹介します。もちろん、その前提となる江戸時代の土佐藩士の格式や藩内の政治組織の紹介もありますので、いまさら基本的なことを聞けないという方にもおすすめです。
開催期間 | 2018/06/08 - 2018/07/30 |
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休館日 | なし |
観覧料 | ■当館企画展開催期間中(6/29~7/30)700円(団体20名以上560円) ■その他の期間(6/8~6/28)500円(団体20名以上400円) ■高知城とのセット券 当館企画展開催期間中(6/29~7/30)890円 その他の期間(6/8~28)730円 ※高校生以下は無料 ※高知県・高知市長寿手帳をお持ちの方は無料 ※身体障害者手帳、精神障害保健福祉手帳、療育手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳所持者と介護者1名は無料 ●観覧券は当日のみ有効です。(年間観覧券は除く) |
展示の見どころ
本展示を理解する上で欠かせない、基礎的な土佐藩のしくみを紹介
土佐藩士の格式順や武士の数を記した資料や当人たちの年譜書から、土佐藩士の基本的な枠組みを確認します。また、土佐国内で働く藩士らに注目し、役所の一覧や当時の人事の事例も紹介します。
どうして土佐国から多くの幕末志士が輩出したのだろうという疑問に応える展示
幕末に行われた藩政改革を通して、幅広い人材登用が行われた結果、多くの人々に活躍の機会が与えられたことを、当人たちの年譜書や、制度の変化を記した資料などを通して紹介します。
見た目は地味、でも中身は情報がぎっしりな年譜書
本展示の主役資料である藩士の年譜書は、ただ藩士たちの仕事の履歴が記された帳簿ですが、それぞれの章で、年譜書から得た情報を元に表や箇条書で分かりやすくまとめています。
主な展示資料
御侍中先祖書系図牒(板垣退助部分)
士格(上級・中級武士)の経歴を記した年譜書で数度にわたり集められ、明治時代まで書き継がれた。板垣家は、掛川時代からの古い家来で、10代退助は、優れた統率力で武断派のリーダーとなった。戊辰戦争を経て、馬廻から家老格へと昇格した。
白札勤役年譜(武市半平太部分)
白札は士格と軽格(下級武士)の間の格式。武市家は高知市吹井の郷士で、6代半平太の祖父の時代に白札となった。半平太は剣術の腕前が認められ名声を高め、文久元年(1861)に尊王思想の軽格を中心とする土佐勤王党の盟主となり、のちに士格の留守居組に進む。
海南政典 職守/考課
幕末期に作られた土佐藩の法律で、組織の人材登用・役人の待遇や異動の規定をはじめ、相続や課税など全13分野からなる。完成後まもなく発起人である仕置役吉田東洋が土佐勤王党に暗殺され、本格的な施行は実現しなかったが、一部の人事改革は実行された。
上下格式御組順袖印鎗印并江戸御国役席順等覚
土佐藩士の武士の格式序列が示されたもの。この役順が武家社会の武士身分の秩序の根本であり、その区分を変更することは、容易なことではなかった。