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知られざる城博コレクション~寄贈・寄託資料の世界~

終了

2021/01/01 - 2021/03/08

高知城歴史博物館は、土佐藩主山内家に伝わった資料をコレクションの核とし、展示や教育普及活動に活用してきました。
実はあまり知られていないもう一つのコレクションが「寄贈・寄託資料」です。開館以前から、高知県内外にお住まいの方々より少しずつ寄せられてきた古文書や書蹟、絵画、刀などさまざまな土佐藩・高知県関連の資料。この企画展では、これらの寄贈・寄託コレクションをまとめてご紹介いたします。
多彩な資料を通して、土佐の歴史や文化を新発見!初公開資料ももりだくさんの展覧会です。
開催期間 2021/01/01 - 2021/03/08
観覧料 700円(団体20名以上560円)
■高校生以下は無料
■高知城とのセット券/900円
*高知県・高知市長寿手帳所持者は無料
*身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳所持者と介護者(1名)は無料
●観覧券は当日のみ有効です。

展示の見どころ

いとなみ、まるごと。

博物館には、画家、工芸家のお家から、作品のみならず、下絵や道具類、蔵書、身の回り品までが一括して寄せられることがあります。
これらの資料群からは、作り手が作品のアイデアを練り、試行錯誤をくり返す様子が手に取るように判ります。また、作り手が日常的に触れ、はぐくんできた独特の世界観をうかがうことができます。

古代塗盆 山脇家寄贈 明治時代

古代塗鎌 山脇家 明治時代

現在も、高知の伝統的特産品として制作が続けられている漆芸品「古代塗」。その創成期を担った山脇信三とその子息達による作品・関連資料群です。現在のシンプルで力強い朱地篆書文様の古代塗とはまた違った多種多彩な漆器たち。盆、各種食器、額、碁笥、鎌など、様々な日用品に古代塗をなじませようとする試行錯誤の跡が感じられます。

 

垣間見る、藩士の日常。

土佐藩士のご子孫から、ご先祖の資料をお預かりすることもしばしば。
あるお家から頂いた資料には、武家としてのありようを示す代々の系図や数々の任命書、隠居後の日常をつづった日記などに混じり、藩主の参勤交代に随行した際に入手した江戸でのゴシップ記録が。古文書や記録が私たちにおしえてくれるのは、偉大な人物の事績や大事件の真相だけではないのです。

大男手形 篠原家寄贈 江戸時代後期

土佐藩士の家のお家に伝わった資料の中の1点。肥後細川家が召し連れていた大男の手形で、牛にまたがると地面に両足が届くことから「牛俣」の異名があったとのメモも書き込まれています。
筆者は参勤交代のため江戸に在府していた間に留守居役の集まりで目撃、手形を手に入れた模様。

 

コレクションが目を覚まし、語り出す。

博物館の裏側をご案内。

お預かりする資料は1枚の紙から200年分数万件の古文書までさまざま。
それらを1点1点台帳に採り、整理していくなかで、資料と資料群の内容や存在意義が見えてきます。
さらに関連資料や文献を調べ、時には専門家の協力も得て明らかになった調査の成果は、展覧会や、刊行物に結実していきます。
展覧会では、そうした作業の様子を写真や実物でご紹介します。

受け入れ時の記録作業

目録作り(包紙の保存)

収蔵庫の様子(整理され保存箱に収まった資料群)

一つ一つの資料の目録を採る前に、箱や包みのまとまりを、写真やスケッチで記録します。そうしたまとまりには、昔それらを管理していた人たちなりの「秩序」が反映されていると考えているからです。
まとまりを解体し、一つずつ目録化するときにも、これらの箱や包み紙は記録し、保管します。
記録後、本体や元の箱・包み紙を中性紙封筒や中性紙箱に収め、出納しやすいように秩序立てて収蔵庫内に配架します。

 

主な展示資料

長宗我部盛親坪付状(高知市・岡村家寄贈)
大男手形(高知市・篠原家寄贈)
後藤象二郎書簡吉田正春宛(神奈川県・長澤家寄贈)
大福帳・御巡見仮日記(佐川町・個人寄贈)
通い徳利(佐川町・個人寄贈)
古代塗盆・鎌(高知市・山脇家資料)
能茶山焼兎置物(高知市・市原家寄贈)
白綸子地花車模様打掛(高知市・清岡家寄贈)

展示資料一覧【PDF】