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「み」どころ満載~城博コレクション~

予定

2025/01/01 - 2025/03/09

見物・初物・干支の物。
令和七乙巳(きのとみ)の年、最初の城博企画展は、「み」ごたえある初公開資料や、新年にふさわしい縁起の良い資料をそろえた館蔵品展です。
普段なかなか展示する機会のない資料や、ここ数年で城博の収蔵資料に仲間入りした新収蔵品も一挙公開。館蔵品展だからと、あなどることなかれ。「み」どころ満載の企画展を、みなさん、どうぞお「み」逃しなく!
開催期間 2025/01/01 - 2025/03/09
観覧料 700円(常設展含む)(団体20名以上560円)
■高校生以下は無料
■高知城とのセット券/900円
*高知県・高知市長寿手帳所持者は無料
*身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳所持者と介護者(1名)は無料
●観覧券は当日のみ有効です。
備考会期:令和7年/2025年1月1日(水・祝)~3月9日(日)/期間中無休
 城博の日 3月8日(土)・9日(日)は観覧無料
※1/1は高知城無料開放日(予定)のためセット券の販売はありません。

展示の見どころ

▲「み」どころ その1
新しき年の初めに福をよぶ

正月行事や藩主の書き初め、松竹梅の縁起ものなど、新年にふさわしいおめでたい資料を集めました。

資料

国宝 古今和歌集巻第二十(高野切本)【複製展示】
古今和歌集巻第二十には、神事などで歌われる我が国古来の歌が集められています。
冒頭の第1首は「あたらしき としのはじめに かくしこそ ちとせをかねて たのしよ*をつめ」
(新しい年のはじめには、このようにして、千年先まで先取りして楽しいことを積み重ねるのだ)。
宮中で新年を祝う時の歌です。 (*高野切以外の諸本では「たのしき」とする)
【おしらせ】 
当館蔵「古今和歌集巻第二十(高野切本)」の原本展示について
令和7 (2025) 年 は大阪市立美術館で 4/26~6/15 に開催の「日本国宝展」に貸出予定のため、当館ではレプリカ展示のみとなります。
原本展示期間等の詳細は、国宝展特設サイト< https://tsumugu.yomiuri.co.jp/kokuhou2025/>にてご確認ください。


初代藩主山内一豊所用 紙衣(かみこ)
長浜城主時代の一豊が初めて以来、山内家家中では元日の挨拶は紙衣を着て登城することが嘉例(かれい=えんぎの良いならわし)とされていました。


河田小龍筆 三福神図
七福神のうち布袋(ほてい)・福禄寿(ふくろくじゅ)・寿老人(じゅろうじん)の3柱の酒宴。
よく見ると、鶴亀の器を使っています。

 

▲「み」どころ その2
見れば実になる?巳年をめぐる豆知識

古代神話のヤマタノオロチから七福神の弁財天まで、ヘビにゆかりの存在は実に様々。
恐ろしくもあり、富や豊穣・繁栄をもたらすありがたい存在でもあるヘビにちなんだ逸話やデザインを、収蔵資料からご紹介します。

<資料>

曲亭馬琴作・勝川春亭画 『昔話質屋庫(むかしがたりしちやのくら)』より
「将武白象の為に巴蛇(うわばみ)を射るところ」
数百匹もの象を呑んだという大蛇を、象に代わって退治するという物語。
「ウワバミ」は空想上の大蛇、あるいはニシキヘビのこと。大きなエサでも丸呑みする蛇の習性や、ヤマタノオロチの神話から、今では大酒飲みのことを表す言葉として知られています。

道成寺縁起絵巻(どうじょうじえんぎえまき)
安珍清姫 (あんちんきよひめ)伝説を描いた絵巻物。
火を噴き龍のようにも見える大蛇は、恋い慕う安珍を追いかけた清姫が、憤怒の果てに変えた姿。じっくり獲物を追う蛇は、時に嫉妬深い女性のイメージと重ねて表現されました。


「藤並神社御神幸絵巻」より 七福神仮装行列
高知城下町で行われた祭礼行列より、七福神に扮した子供達を描いた部分です。
七福神にはそれぞれ動物などのお使い(神使)がいますが、紅一点・弁財天(べんざいてん)の使いは白蛇。ヘビが金運上昇をもたらす縁起物なのは、このためです。

 

▲「み」どころ その3
初出しの名品、大放出!

俗説に「初物を食べると75日長生きする」と言われるほど、日本人は初物が大好き。せっかくなので、「初」づくしの新年に「初公開」の新収蔵資料をお披露目します。3月で開館8周年を迎える城博。年を経るごとにますます進化する城博コレクションをお楽しみください。

<資料>

【初公開】豊臣秀吉朱印状 毛利勝信宛(乾家資料/当館寄託)
豊前小倉城主毛利壱岐守勝信(吉成)に豊臣秀吉が与えた朱印状。
朝鮮出兵中の兵糧として二千石を下賜することを伝えています。
長く原本の所在が知れなかった文書ですが、令和3年に当館へ寄託されました。


【初公開】長岡謙吉書状より 明治元年四月土佐藩申渡写 (小島家資料/当館蔵)
坂本龍馬亡き後、海援隊を率いた長岡謙吉直筆の書状です。写本によって存在は知られていたものの、原本を見ることの叶わなかった幻の文書が、令和5年に当館へ寄贈されました。
母方の伯父と従兄弟にあてた謙吉直筆の手紙の中から、よりすぐりを展示します。


【収蔵後初展示】ドゥーフ・ハルマ(高知県立高知追手前高等学校蔵/当館寄託)
長崎・出島に駐留したオランダ商館長、ヘンドリック・ドゥーフが手がけた日蘭辞典です。
初稿本を土佐藩が入手し、藩校「教授館」の蔵書としたものが、旧制一中の追手前高校に伝わりました。
今回は【蘭語】 Nieuw Yaar de Eerste dag van het yaar (英訳: New Year’s First Day of the year) →【和訳】 Gfoewan Zits (=元日) の項を含む、L/M/Nの部を展示します。


【初展示】竹内綱筆 「工業富国基」(高知県立高知工業高等学校蔵/当館寄託)
明治45年(1912)に私立高知工業学校を創設した高知県宿毛市出身の実業家、竹内綱(たけうち つな)が建学の精神「工業富国基」を揮毫した額です。
多くの人材を世に送り出した工業高校の歴史を物語る資料を、一般の方が御覧いただけるのは今回が初めて。高知出身の内閣総理大臣・吉田茂による「優勝」の文字を金糸で縫い取った、駅伝大会優勝旗もあわせて展示します。

 

 

◆関連行事◆

スライドレクチャー 展覧会のみどころを学芸員が解説します。
《日時》1月3日(金)、2月2日(日)、3月1日(土)※いずれも巳の刻、10時00分から(約30分)
《会場》当館3階土佐史探索室
《参加費》無料(要観覧料/申込不要)